四種混合ワクチン
DPT-IPV(四種混合)ワクチンとは
DPT-IPV(四種混合)ワクチンは、ジフテリア(Diphtheria)・百日ぜき(Pertussis)・破傷風(Tetanus)・ポリオ(Polio)という4つの病気を防ぐための予防接種です。
ポリオのワクチンを(Inactivated Polio Vaccine)と呼ぶことから上記の4種が混ざっており、英語の表記からDPT-IVPワクチンと呼ばれています。
1 ジフテリアとは
ジフテリアはジフテリア菌により発生する疾病です。
その発生は最後に報告されたのが、1999年であり稀になりましたが、かつては年間8万人以上の患者が発生し、そのうち10%程度が亡くなっていた重要な病気です。
主に気道の分泌物によってうつり、喉などに感染して毒素を放出します。
この毒素が心臓の筋肉や神経に作用することで、眼球や横隔膜(呼吸に必要な筋肉)などの麻痺・心不全等を来たして、重篤になる場合や亡くなってしまう場合があります。
2 百日ぜきとは
潜伏期は通常5~10日(最大3週間程度)であり、かぜ様症状で始まるが、次第に咳が著しくなり、百日ぜき特有の咳(コンコンと激しく発作性に咳込み、最後にヒューと音を立てて息を吸う)が出始めます。嘔吐や無呼吸発作を伴うこともあります。
乳児(特に新生児や乳児早期)ではまれに咳が先行しない場合があります。
乳児(特に新生児や乳児早期)では重症になり、肺炎・脳症を合併し、まれに致死的となることがあります。
ワクチン既接種の小児や成人では典型的な症状がみられず、持続する咳が所見としてみられることも多いです。
3 破傷風とは
破傷風は、破傷風菌により発生し、かかった場合に亡くなる割合が非常に高い病気です。
以前は新生児の発生もみられましたが、近年は30歳以上の成人を中心に患者が発生しています。
主に傷口に菌が入り込んで感染を起こし毒素を通して、さまざまな神経に作用します。
口が開き難い・顎が疲れるといった症状に始まり、歩行や排尿・排便の障害などを経て、最後には全身の筋肉が固くなって体を弓のように反り返らせたり、息ができなくなったりし、亡くなることもあります。
4 ポリオとは
ポリオは、ポリオウイルスが人の口の中に入って、腸の中で増えることで感染します。
増えたポリオウイルスは、再び便の中に排泄され、この便を介してさらに他の人に感染します。
成人が感染することもありますが、乳幼児がかかることが多い病気です。
ポリオウイルスに感染しても、多くの場合、病気としての明らかな症状はあらわれずに、知らない間に免疫ができます。
しかし、腸管に入ったウイルスが脊髄の一部に入り込み、主に手や足に麻痺があらわれ、その麻痺が一生残ってしまうことがあります。
日本ではほとんど発症がないですが、ヒトからヒトへ感染する感染症であり、グローバル化した現在ではワクチンによってしっかり予防することが大切です。